久しぶりに一日中の雨で
花には恵みの雨かと思えば
時々ザーと降る台風雨になりました。
例によって
本の紹介です。
セカンド・ラブ
(乾 くるみ)
(文芸春秋)
「序章秘密をその胸に」
は最初に読んでも意味が良くわからない。最後にもう一度読むと意味がよくわかります。
男二人、女二人でスキーに行くところから物語は始まる。
職場と寮を往復する毎日で、寮では本を読んでいるという真面目一本の正明が容姿端麗お嬢様の内田春香と恋仲になっていくラブストーリーと思って読んでいると春香は正明に電話番号は教えず一方的に正明に電話する。なんだか変だな?
そのうち、正明は新宿歌舞伎町コマ劇場前のパブ&スナックで春香にそっくりな美奈子に会う。春香と美奈子は性格が正反対で経験豊富な言葉巧みな女性だが?
はたして同一人物か?
そこに紀藤先輩が絡んできて、疑問符を付けながら読み進んだ。
作家「乾くるみ」を読むのは初めてなのでしらべてみると何と男性作家だった。名前と表紙から女性作家と疑わなかった。
しかも、静岡大学理学部数学科を卒業している。
その為か
「すくないはずの1の数字も0に比べると大きい」という表現が出てくる。
また、正明が「どうもおかしい?」と感じだし、仮説1、仮説2と仮説を立て、春香や美奈子、紀藤先輩に当たり、検証していく。するとさらに仮説3が浮かび上がるという感じで物語が進む。この手法は数学的だと思いながら読む。ということはこの物語はラブストーリーでは無くミステリーなのか?
最終章でどんでん返し!それは無いよな!真面目な正明がかわいそすぎるぞ。
後味が宜しくない物語でした。
女性は真面目な男性より、強引さがあり面白い男性に引かれるということか?
春香は電話で「恋愛ってやっぱり精神的なつながりが必要だね」と精神的の世界感を述べ、それにも責任を持たなければならないと述べる。
正明は「精神的な世界より現実的な世界も欲しいよ」
とも思うが・・・。恋すると一般に女性は精神的世界を重要視し、男性は現実的な世界を欲するように思うがどうだろう。
春香はこう述べながら、最後には責任持たなかったよ。これが現実の恋なのだろうか?
この本は
2004年発行した「「ラスト二行で別の物語に」「必ず二度読みたくなる」とベストセラーになった「イニシエーション・ラブ」の衝撃、ふたたび」という作品だそうです。
私は「イニシエーション・ラブ」は読んでいません。