今日のしとしと雨で今年の桜は終わりでしょうか?
一日雨なので本の紹介です。
夜の桃
(石田衣良)
(新潮社)
中年や遠くみのれる夜の桃 西東三鬼

「風花」という本を調べた時、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」の欄で見つけ、図書館にリクエストして得た本です。
主人公雅人は40代なかばにしてネット広告企業の社長。六本木に会員制のクラブをもち、自宅は青山にある。若々しい妻がいながらも、30代の愛人もいる。
すなわち三角関係。
本人は「三角形の頂点に自分が居て安定状態にある」と言っていた。
そこへ契約社員として入ってきた20歳の千映という人物が入ってきて四角関係となる。

本人は新しい愛人2(千映)と会う場合は、愛人1または、妻を通るか、愛人1と愛人2を入れ替かえる作業をしないと会えない。すなわち、自由にコントロール出来ない状態になる。
ある日、愛人2(千映)に、ベトナムに居る山師の父から電話が来る。若い女性は「もう電話に出ないでください」と意味ありげな様子につい・・・・・・
三角形の安定が崩れ四角形の不安定な状態になる。
さて、物語は?
「主人公はいう、
仕事は経験を積めば大体予測がつくが恋愛はそうはいかない。中年になっても上達しないし、学習もしない。なんでも簡単にわかってしまい誰かに全部解説されてしまう世のなかで、いつもゼロかイチの繰り返しで恋愛みたいな謎はない」
なるほど!
肌が合う女性とは手が触れただけで電流が流れる状態になるらしい。
最高の快楽は恐怖の別名で、主人公雅人は恐怖と欲望の間で立ち尽くす。
官能的なシーンもある恋愛小説。この手の小説は「主人公が有頂天になり、最後に破滅する」と解っているがその過程を楽しむのが読むコツ。破滅への起爆剤や最後への行き方は小説によって違う。
「女を振り回していると勘違いしていたのだな。実際には遊ばせて貰っていただけだった。いざとなれば、全てを決めるのは女だっていうのに。男はいつだって自分のことしか見えていないのだな」。が主人公が呟く感想。恋(不倫)とはそんなもの。
石田衣良のファンは若い女性が多いそうだがこんな本も読むのかな?私は石田衣良初めてでした。この小説は2007年週刊新潮に連載されていたので64章に分かれいて読みやすく言葉が良い。