毎年9/1〜3に行われる八尾の「おわら風の盆」が昨日終わり、秋風が吹く季節が近づいてきました。最近は前夜祭が開催されるようになり、この前夜祭は実に10日間あるそうです。「おわら風の盆」を背景にしたミステリー小説「風の盆幻想」を風の盆前夜祭の期間から読み始め、今日(4日)に読み終えました。浅見光彦は前夜祭から八尾に入り、昨日、事件を解決し、今日、内田康夫先生と軽井沢へ帰りました。

一日中雨の日に本の紹介をしていますが、タイミングが良いので今日、本の紹介をします。

    

風の盆幻想

(内田康夫)

(幻冬舎)

 


内田康夫が4回も取材に出かけた越中八尾が舞台の話。推理小説といっても第一章は「越中おわら節異聞」として書かれています。これがバックボーンとなる小説です。

 風の盆幻想


【第一章から】

もともと「おわら」は、盂蘭盆に先祖を供養する庶民の「盆踊り」であったが、妖艶な若い女性が踊る姿が人気を呼び、全国区へと発展して行ったのです。「おわらの踊り」は伝承会が継承し、年齢制限があり、踊ることが出来る地域が制限されてきました。しかし、街がJR高山本線八尾駅周辺へと発展するにつれ、われわれも踊りたいと年齢制限、地域制限を取り払った一派が無玄寺を中心に出てきました。各地への出前おわら風の盆まで作り、八尾のアルバイトを始めたのです。昔ながらの伝統を重要視する伝承派と新しい工夫も入れてみんなで楽しもうとする無玄寺派の争いは拡大して行ったそうです。そこで殺人事件が起こり、浅見光彦の登場となります。

 

TV、映画、小説等で出てくる「越中おわら風の盆」の踊り手の女性はすらっとした姿で妖艶で何とも言えない雰囲気を醸し出します。毎年、小田原に来る「越中八おわら風の盆」を上記のイメージを持って見に行ったことがありますが、踊り手はお婆さんばかりでがっかりしたことがあります。小田原へ来たのは小説でいう無玄寺系の出前おわらなのでしょうか?でも、現在は皆でたのしむ「風の盆」になっているのでしょう。

 

 

【あらすじ】

哀切な胡弓の調べと幽玄な踊りで全国的に有名な八尾町の「風の盆」を舞台にした推理小説です。

八尾の老舗旅館の若旦那が謎の死を遂げ、警察は自殺で片付けようとするが、これは殺人だとにらんだ内田先生は浅見に連絡する。

今回は原稿の締め切りが過ぎているにも関わらず、事件解決の為、軽井沢に住む作家内田康夫先生が(小説の中の人物)珍しく最後まで同行しています。

時々、ズバッと質問して浅見をハラッとさせる内田先生だが、なかなか良いところを付いている。日本版ホームズとワトソンである。

 

物語は、飛騨高山、神岡と越中八尾を結ぶ、秘められた愛にたどり着く。

 

私は2010.11.10(土)に静かな八尾の街を写真を撮りながら歩いたので、小説に出てくる場所がよくイメージ出来、八尾を懐かしみながら読むことが出来ました。

 

越中八尾の「小山るるぶ」を見たい方はメールで連絡ください。